恋にキスを

「…嘘って言ってよぉ。」


『え?』


「エイプリールフール…じゃん?嘘って…いっ…てよっ…。」




やっと言えた本音。


でも、これは事実であって。


大貴が嘘なんて言うはずがない。




分かっているのに。

あたしは、彼への気持ちを止められない。




『ごめん。嘘じゃない。』




大貴の一瞬震えた声。



…もう、大貴はあたしを好きじゃないんだね?





「そっか、そうだよね…。バイバイ。」




もう、貴方の声なんて聞きたくない。

他の相手を見て、幸せを感じるあなたに。



もう恋をしたくない。



今すぐにでも、忘れたい。





「さようなら。」





…ピッ。



大貴の言葉も聞かず、電話を切った。





*[