なんで竹井くんが!?
さっきは普通だった私の心臓が嘘みたいに鼓動が早くなっていく。

うぅ~。
止まれ心臓ー。
私はもうあんな思い、したくないんだからぁ!
もう男のコは信じない!

そんな事を思っていると…
キーンコーンカーンコーン
その放送と共に担任の先生が教室に入って来た。
ガラッ

「おはよう。では今日のホームルームを始める。全員いるか?」
男のコが「2人いませ~ん」と言った。
その言葉に先生は驚いた。

「2人!?1人の間違いじゃないのか?」
またさっきの男のコが「2人でーす!」と大声で言った。

私も驚いた。
1人は私の隣のコ。
でもあと1人は?

私はキョロキョロ辺りを見回した。

…あれ?
あそこの席って…。

私より先生の方が早く気づいた。
「竹井か!?ここは竹井の席だよな!?」
先生は竹井くんの席を指差しながら驚いていた。

私もびっくりした。
隣のコはしょっちゅうだけど、竹井くんが遅れてくる所なんて見た事なかった。

すると友美がクルッと私の方に向き、「そーいえば、朝いなかったよね。竹井!いつもならあたし達より早いのに」

私はこくんと頷いた。
友美は「なんでだろーね」とちょっとどーでもよさそうに言った。
私が「さぁ?」と苦笑いしたら、「まっ。どーでもいっか」そう言って前を向いた。

友美…。
どーでもいいってそれはひどすぎるよ…?
竹井くんが可哀想に思えてきた。

すると、後ろの扉から私の隣のコと…竹井くんが入って来た。

「こら~!」
先生が2人に向かって歩いていく。
「遅刻だぞ!2人共!」
「すいません」
竹井くんは素直に謝った。
「さーせーん」
私の隣のコはふざけて謝った。
「…竹井はもう席に着け」
「はい。すいませんでした」
竹井くんは先生にぺこっと一礼して席に向かってこっちに歩いてくる。

私の心臓は何故か急激に加速していった。