お兄ちゃんと別れて私達は自分の教室へと向かう。
友美は名残惜しそーだった。

「べつにいいじゃん。お兄ちゃんとは毎日会ってんだから」
「でもぉ。それは朝の登校と帰りの下校だけじゃ~ん」
「泣かないの!ほら、教室着いたよ!」

私達の教室は1-A。
この学校は成績順だからA組が1番頭が良い。
ちなみにH組まであるから合計8クラスあるんだ。

ガラッ
私が扉を開けた。
ほぼ全員集まっていた。

縦6列、横5列。
比較的少ない方。

私は4列目で1番後ろ。
友美は3列目の後ろから2番目。
だから私の斜め前は友美。
この前席替えしたから友美と近くなれた。
くじだったから半ば諦めてたけど…。
1番良い席だった。

私達は自分の席に向かった。

私は自分の席に着いてカバンから教科書を取り出し机の中に入れると…。
カサッ

んっ?
カサッ?
なんだろ?

机の中にある物を手探りで取り出した。

!?
か…み?
机の中には四角い紙が入っていた。

私はガタガタ震え出した。

友美は私の様子がおかしいと思ったんだろう。
「…咲月、来て」

「…え?」
とも…み?

「咲月、大丈夫だから。あたしがいるから。あいつの事は思い出さないで。震えないで。あいつはこの学校にはいないんだから。…ねっ?」

友美の言葉に私は一筋の涙が零れた。
「う…ん。…うん、うん!そ…だよね」

「こらっ。泣かないの。泣いたら授業出れないよ…」

「…友美だって泣いてるじゃん」
「…泣いて…ない!」

私はクスッと笑った。

私が友美に、
「あり…がと♪」
ニコッと瞳を潤ませ微笑んだ。

そしたら友美が、ギュッと抱き締めてくれた。
「…もぉ。可愛いんだから。咲月は!」

ギュッと抱き締める力を強くした友美。

「い、痛いよ。友美…」
でも…。
ホントありがとね。