貴方は、私が自分の想いに
気づきながら

あなたを見つめている事など
全く知らずに淡々と授業を
進めていた。

あっ、今、貴方と目線が合った

授業の合間に、何度か貴方と
目線が合ったような気がした
けれど

それは、特別な事じゃない。

生徒一人一人を見つめている
だけの事。
 
夢のような時間が終わる。

貴方に、子供扱いされた彼女達
は教室中に聞こえる声で話す。

「先生が変わっても
 音楽の授業ってつまらない」

そう言って、教室を出て行った

私は、『そんなこと無かった』
と一言、貴方に伝えたかった
けれど言えずにその場を離れた