貴方の声・・・

やっと、聞けた。

『これ、使うといい』

あの日と同じ低い声。
 
もっと、聞きたい。 

「では、授業を・・・・・・」

「シドウ先生、質問
 いいですか?」

その声に振り返ると、隣の
クラスの目立つタイプの生徒が
手をあげていた。

「はい、何か?」
 
「ヤマ婆・・ヤマギシ先生は
 どうして、お休みされて
 いるんですか?」

「私も知りたい
 どうしてなの?」

「家庭の事情って
 何ですか?」

「シドウ先生
 教えてください」