この時が来た・・・

もちろん、浅緋と里湖の喧嘩
の件は気にはなっていたけれど

今の私は、それどころでは
無かった。

何度、深呼吸をついても
ドキドキと胸打つ鼓動は
静まる事は無く

その胸を押さえながら、私は
教壇に立つ貴方の姿を
教室の隅で見つめていた。

なんて、素敵なんだろう。
 
私は、貴方の仕種、動きの全て
を見つめ続けた。

緊張した面持ちで、貴方は
話し出す。

私の心は、躍る・・・

「シドウです
 急に、教壇に立つ事が決まり
 私自身もびっくりしています
 一学期、約4ヶ月という
 短い期間ではありますが
 どうぞ宜しく」