「寝坊したの?」

「ああ、起きたら
 リコがいなくて焦ったよ」

「喧嘩の原因は何なの?」

「喧嘩の始まりは、些細な事
 だったんだ、だけど、アイツ
 の中に俺への不満が溜まって
 いたんだろう

 ついに爆発して、昔の事まで
 持ち出して泣いて怒ってた」

「今日、帰ったら、リコちゃん
 の話を聞いてみるよ
 先生が心配してた事も
 ちゃんと伝えるからだから
 そんな顔しないで・・・
 大丈夫だよ」

「レイ、済まない」

授業を知らせるチャイムが鳴る

「じゃあ、授業が始まるから
 私行くね」

「レイ・・・」

振り返った私に、浅緋は何も
言わずに首を左右に振った。

彼が何を言おうとしたのか
私は気にも留めなかった。