やっと、待ちに待っていた

この日が来た。

今日の三時限目は、音楽。

貴方の、素敵な声が聞ける。

あれから、学校で貴方の姿を
何度も見掛けたけれど

自分から声を掛ける事は
できなくて・・・

ただ、日々だけが過ぎて
行った。

爽やかな朝の風に、長い髪を
揺らしながら私は黒い傘を持ち
玄関の前で靴を履いていた。

「レイ、今から学校?」

「リコちゃん
 うん、そうだけど・・・」

姉の出現に、驚く私。

そんな私が、手に持つ傘を

見つめる里湖。