貴方が、私を見る。

「レイ、返事は?」

「はい」

「宜しい、気を付けて帰れ」

微笑む浅緋の隣で貴方は
私の事をじっと見つめて

あの日のように何かを
言おうとした。

私は、黙ったまま会釈をして
七海の手を引き、その場所から
離れた。

『レイ』

私が、自分の名前を心から
素敵だと思えたのは

浅緋が何度も何度も
私の名前を呼んでくれたから。

『レイが好きだ』