私の机の隣には、鴨下さん
澪(ミオ)の机があり

今、彼女はその場所で
机に顔を伏せて眠っている。

「ミオ、起きた方がいいよ
 次、数学だよ」

前の席の、七海が澪を起す。

「もう少しだけ、眠りたい
 昨夜、帰ったの遅くて・・」

「バイト、大変そうだね?」

彼女の父親は、最近、会社を
辞めたらしく、トラック運転手
の仕事をしているようで

澪は、共働きの両親を助ける為
に毎日バイトをしていた。

「あんまり、無理しちゃ
 駄目だよ」

「そうだよ
 ミオ、倒れちゃうよ」

「うん、レイに、ナミちゃん
 ありがとう
 
 先生が来たら起して・・・」

彼女の体は、ひどく
疲れていたようだったけれど
表情は、以前よりも明るく
イキイキとしていた。