「きれいごと言わないでよ
 あなたの手の中に先生が
 いるから、そんな事が 
 言えるのよ」

鴨下さんは嫉妬を含んだ
悲しい表情を浮かべたかと
思うと、今度は笑い出す。

「何て、どうでもいい
 本当は私、先生の事なんて
 何とも思ってないもの

 甘い口づけを交わしたくせに
 いざ抱き合う時になったら
 顔を逸らし、教師に戻って
 逃げるのよ
 本当、つまらない男

 あなたみたいなお子様には
 ちょうど、いいんじゃない」

「じゃあ、なぜ・・・」

「私は、今までもずっと
 狙った獲物は必ず
 自分のものにしてきた
 そして、全て切り捨てて来た
 
 だって、愛なんて面倒なもの
 私にはいらないもの
 愛が欲しいから交わるん
 じゃない・・・」