紫御殿†Purple heart

一粒の涙も流す事無く
遺影を見つめて、しっかり
と大地を踏みしめる

姉の漆黒の長い髪
が揺れる。

私の短くなった黒髪に
いずるは、触れる。

「姉も、まだ
 ほんの少女だった・・・

 それなのに、俺は
 甘えてしまった

 姉はそんな俺の全てを
 優しく受け入れてくれた」

いずるは大きく息を吸う。

「姉のおかげで、今の俺がある
 俺は姉を慕い、心から彼女を
 愛していた
 
 だけど、それは愛であって
 愛ではない事に気づいた
 
 俺は、姉を人間として
 憧れ、尊敬していただけ・・

 あの雨の日、一瞬姉が俺の
 前に現われたのかと思ったよ
 だけど、違った

 俺は、雨に濡れる君に
 見惚れた
 
 俺が愛しているのは
 レイ、お前だけだ」