紫御殿†Purple heart

「取り合えず、適当に
 道なりに走ってください」

走る車・・・

ずっとずっと、走る・・・

黙ったまま、夜の街を
いずるとドライブしている。

「レイ
 落ち着いたか?」

タクシーメーターは
もうすぐ、五千円をさす。

「いずる、迷惑かけて
 ごめんなさい
 
 家まで送ってください」

涙で腫れた瞳でいずるを
見つめる、澪の、その唇に
触れたい。

近づく、唇・・・

その唇に、私は指先で
触れた。

「駄目だよ
 
 もう貴方を
 傷つけたくない」

ここで、貴方に
触れちゃいけない。