紫御殿†Purple heart

いずるは、私の肩を
強く抱いてくれた。

「お前が望むなら
 ずっと傍に居てやるよ」

貴方の肩に、私はこめかみ
を寄せて目蓋を閉じた。

さっきの光景を忘れたい。

浅緋の隣で、綺麗な笑みを
浮かべる鴨下さん。

彼女を見下ろす、浅緋。

忘れたい・・・

こめかみから流れ落ちた
涙は、いずるの肩を濡らす。

鳴り響く、着信音

私は、携帯電話の
電源をOFFにする。

聞きたくないよ・・・

貴方の声

聞きたくない。 

「すみません
 どこまで行きます?」