浅緋は、私の頭に自分が
被っていたキャップを被せた。

私は、ドキドキしながら
その帽子を深く深く被る。

彼女達は、ドアの前に
陣取ってしまい、私達は
中に入れない状態。

先に、店を出た子達まで
戻って来てしまい

私達は、囲まれてしまった。

私は俯いたまま、浅緋の声
を聞いていた。

「お前ら
 
 このクソ暑い中
 
 こんな大勢で
 よく遊べるなぁ?」

前に、三人

後ろに、三人・・・

「これから、カラオケに
 涼みに行くんですよ」

その時、中から食事を終えた人
が出て来ようとした。

「こら、お前ら
 
 ドアを塞ぐな
 
 こっちへ来い」