「いずるさん、毎日
 この子のお守りも
 大変でしょう
 寝相だって悪くて・・・
 
 いずるさん
 昨夜はちゃんと
 眠れましたぁ?」

「ママ、もういいよ
 夕食の準備が
 あるでしょう?
 
 行って来ます」

こうして私は、また
余計なことを言う母を
疎ましく思うのだった。

自分の行動を
棚に上げて・・・

乗車して、ドアを閉める私。

「レイ、昨夜
 帰って無いのか?」

どこから話せばいい・・・

動揺する私の手は何度も
シートベルトを引っ張るが
ベルトは出てこない。

いずるの伸ばした腕が
私の体の前、胸元に当たる。