目蓋を閉じる澪の唇に
触れようとした浅緋。

「やべぇ、もう限界」

「えっ、何が?」

私から離れて、浅緋は
そのまま、トイレへ。

「やばかったぁ」

戻って来た浅緋には
タオルケットを
頭からすっぽりと被り
背を向けて眠る澪の姿が映る。

私は、眠る振りをする・・・

「レイ、レイちゃん?」

タオルケットの隙間から
少しだけ顔を出す私を
貴方は、覗きこむ。

「アッちゃん、返してよ」

「何を?」

「さっきの言葉
 恥ずかしいよ・・・
 
『抱いて』なんて
 恥ずかしい言葉を言って
 相手に逃げられるなんてさ」

「逃げてない
 戻って来たじゃん」

「恥ずかしい・・・
 もう、寝る」

浅緋の腕枕で、私は眠る・・・