「リコもきっと、お前と
 同じように、その事で
 悩んでいたと思う・・・

 いずるは、レイお前の事は
 真剣に愛していると思う
 
 でも、リコの時は違った」

脱衣所で互いの体を
拭きあう二人・・・

着替え終えた私は
鏡の前に立つ。

浅緋は上半身裸のまま
で、濡れた私の髪を
タオルで、ゴシゴシと
拭いてくれながら話す。

「あの頃のいずるは、たった
 一人の肉親である
 お姉さんを事故で失った
 ばかりで、毎日
 悲しみに打ち拉がれていた

 悲しみの渦の中から
 立ち直れない、いずるは
 生きる気力を失い
 自分を傷つけ、苦しめ
 それでも生きなければ
 ならないことに深く
 絶望していた・・・」