「逃げ出して
 パチンコ屋さんで
 涼んでた訳ね」

「何で、分かった?」

「駅前のパチンコ屋さんにでも
 用が無い限り、うちの家の
 近所に、アッちゃんが居る訳
 が無いもの」

「レイは、俺のこと
 分かってるね」

「何でも、お見通しだよ」

浅緋が笑う・・・

その笑顔、ずっと
見てなかった。

眩し過ぎるよ・・・

畳み終えた洋服。

「ありがとう、それ頂戴」

私から受け取った洋服を
浅緋は、クローゼットの
中、ケースにしまう。

私は、開いている
ダンボールの中を
こっそり覗いてみた。

すると、スーツに
ワイシャツが
くしゃくしゃの状態で
乱雑に入っていた。