二度目の着信で繋がった
浅緋の携帯電話。

「・・・・・・」

「アッちゃん、レイだよ
 聞こえてる?」

「ああ」

浅緋の声・・・

いつもの明るさは無い。

「アッちゃん、夕方
 家に来てくれたでしょう?
 ケーキありがとう」

「ああ
 もう体調はいいのか?」

「うん、もう大丈夫」

「ごめんな
 
 俺の離婚のせいで
 お前にまで・・・」

「アッちゃん、今どこ?
 今すぐ、逢いたいよ  
 家に行けば逢える?」

「俺は今、外に出ているんだ

 だから、逢えない・・・
 悪いな」

感情を読み取る事ができない程
単調なリズムで話す浅緋の声