あの頃の、いずるは愛する人を
失った悲しみに耐えながら
日々を送っていた。

そんな彼を
里湖は守ってあげたい
と強く、思った。

いずるもまた、亡くなった
愛する人の面影を持つ
里湖に心を開きつつあった。

でも、幸せな笑顔は
いつか深い悲しみに
変わっていった。

里湖は、いずるの

愛する女性ではない・・・

そう、いずるの心の奥深くには
彼女しか住めない。

澪も、いづれ、その事に気づき
分かる時が来るだろう。

その時に、レイ・・・

あなたが傷つかなければ
いいのだけれど・・・

わたしは、それが不安なだけ