「アッちゃん、どうかした?
 レイ、何かあったの?」

鍵を開けた浅緋は、普段どおり
の声で答えた。

「お母さん、何もありませんよ
 レイに伝えなきゃいけない事
 を思い出して・・・

 レイ、俺が言った事
 忘れるなよ
 
 明日、学校でな」
 
『レイ
 俺はお前が好きだ
 
 お前が 
 いずるを好きでも・・・』

何度も、何度も

繰り返し聞こえる

浅緋の、愛の言葉を
掻き消すように

携帯が鳴る・・・