「正確には
 入籍記念日だけどね
 
 お互いに、お祝いの
 ホールケーキを
 買ってきちゃったものだから
 がんばっても、二人だと
 一つ食べるのが、やっとで
 食べ切れなくて・・・

 ママも、レイも
 ケーキ好きでしょう?

 二人の幸せのお裾分けです
 なんてね、食べて下さい」

「いいのかしら・・・
 何も、お祝いしてあげて
 無いのに、こんな
 有名なケーキを頂いて
 ・・・・・・ 
 アッちゃん
 遠慮なく頂くわね」

「はい」

「レイも、御礼言いなさい」

「ありがとう・・・」

浅緋は、一瞬だけ口角を上げ
微笑を浮かべたが

その表情は少し
困っているようにも見えた。