「いつか
 家に連れておいでね」

頷く、私の隣を浅緋は
黙ったまま、通り過ぎた。

『レイ』

呼ばれない名前・・・

浅緋は、テーブルの上に
綺麗に包装されたケーキの
入った箱を置いた。

ワインに、シャンパンが
袋から出され、テーブルに
並べられる。

驚く、母。

「どうしたの、これ?」

「昨日、結婚記念日だったの」

「えっ、そうだったかしら?」

母は、カレンダーを見つめる。