また、あの日の
甘い口づけを思い出し

私の心は、支配される。

その時、ドアホーンが家中に
鳴り響き、ドアが開く音がした

私の瞳に映るのは・・・

姉の里湖ちゃんと並んで立つ
浅緋の姿だった。

「アサヒ、それ
 ちゃんと、持ってね
 崩れちゃう・・・」

「ああ」

「どうしたの、二人揃って
 こんなに早くに」

「出かける前に寄ったの
 これ、食べてもらおうと
 思って・・・
 
 レイ、おはよう

 お洒落して、今日は
 何処かに、出かけるの?」

母は、言う。

「デートなのよ」
 
浅緋の顔が、見れないよ・・・