私の中に

もう一つの過去の恋が

存在する。

その恋は、今も私の胸に

鮮明に宿る・・・

あれから、浅緋とは

逢っていない。

ううん、あの後、学校内で
何度か浅緋を見かけたけれど
私は、露骨に
目を逸らしてしまった。

何度も・・・何度も。

そう言えば、あれから
浅緋の声を聞いていない。

『レイ』

あなたの唇が

私の名を呼ばない。

その唇に

私が、触れたりしたから・・・

触れておいて、貴方を遠ざけた