貴方が、彼女の事を名前で
呼ぶのは特別な事じゃない。

浅緋の手が、私の頬に触れる。

「触れられないって
 言ったくせに・・・」

その手は、私の髪に触れ
後頭部に触れ、そっと
その胸に抱き寄せる。

呟く、浅緋の声

「レイ・・・
 お前に触れたい」

駄目だよ、浅緋

触れちゃいけない

私に、触れないで・・・

見つめる、浅緋の瞳

貴方の唇が、私の唇に触れたか
触れないか・・・

予鈴の音が響く。

浅緋が、私から離れてしまう。

離れてほしくない・・・

離れないでほしい。

今度は私が、浅緋の頬に
手を翳す。

その手首に、貴方はキスをする