指導室の壁にかかる時計。

時間は、刻々と過ぎて行く。

静かな時・・・

「彼女、カモシタさんは
 先生の事が好きだよ
 ・・・先生は
 彼女の事、好き?」

浅緋は、私を見つめる。

「お前はもう
 俺が誰を好きなのか
 知っているだろう」

私は、知ってる

貴方が好きなのは、私・・・

「さっきの質問の答え
 カモシタの事を
 下の名前で呼ぶのは
 二年にアイツの従兄弟が
 通ってるんだ
 それも同じ美術部
 
 少ない部員ではあるが
 俺も皆も混乱しない為に
 二人の事を
 下の名前で呼んでいる」

「そうだったの・・・」

「特別な事じゃないさ」