玄関先で靴を履いて立つ私に
いずるは一生懸命に
学校への道のりを説明する。

「いずる、心配しなくていいよ
 定期があるから、一駅だけ
 電車に乗るから、後は
 いつもと同じ」

「そうか、そうだな」

「じゃあ、行って来ます」

「気をつけてな」

こうして、愛している人に
見送ってもらえる事が
こんなにも幸せな事だなんて
・・・・・・

でも、その思いとは裏腹に
寂しさが襲う。

ドアに手をかけた私を
貴方は呼び止める。

「レイ」

そして、その腕に
抱きしめてくれた。

愛しい人の声が耳元で響く・・

「レイ、昨夜は
 俺の傍に居てくれて
 ありがとう」