私は、急いでシートベルトを
外して車のドアに手をかけた。

「痛い」

私のもう一方の腕を貴方は掴む

折れる程に強く

そして私を引き寄せた。

背中から感じる、貴方の体温

・・・・・・
 
やめて、離して・・・

「アサヒ、私はもう
 貴方を好きじゃない」
 
貴方の手が、私から離れた。 

私は急いで車から降り
その場所から、走り去った。

振り返らずに

黒い傘を握り締めて・・・

貴方はきっと、愛情から
私を抱きしめたんじゃない。
 
ただ、泣いてる私を
可哀想に思っただけの事。

私は、同じ過ちを

二度と繰り返さない。

そうだ、家に着いたら真っ先に

あの、花の名まえを調べよう。

見つけた、花の名まえを・・・