私は駅前に佇み振り出した雨を
ただ、ぼーっと眺めていた。

朝の混雑する駅に、横一列に
並んで歩く友達を、後ろから
眺めている。

「雨だよ、どうする?」

「濡れるのやだぁ~」
 
「ねえ、あそこで時間潰そうよ
 すぐ止むでしょう
 ほら、レイ、行くよ」

振り返る友達に手を引かれ
駅の傍にある
ファーストフード店へ入る。

朝から、この匂いはちょっと
苦手だ。

雨の匂いの方が断然、好き。

入り口付近で立ち止まった
私のせいで店の自動ドアは
開いたり閉まったりを繰り返す