ちょうど、そこへ
このマンションの住人らしい
家族連れが現われ、私に
声をかけた。

「こんばんは」

「こんばんは」

私は、会釈をした。

家族で外食にでも行っていたの
だろうか

優しげな旦那様に、美人な奥様

そして、私と同じくらいの
娘が二人

彼女達は、私を見つめて
こそこそと、小声で話している

「確か、南女・・・」

こんな時間に、制服を着て
男の人と二人きり・・・

彼女達が、噂するのも分かるよ

「行こう」

いずるが、私の肩に触れようと
した為

私は、大きく、一歩下がった。

「ここで、待ってます」