そう言って、貴方は自分の体
を拭くよりも先に私の顔や頭
髪を優しく拭いてくれる。

「ありがとう
 後は自分でできるよ
 いずるも
 拭いた方がいいよ」

いずるの髪から滴が落ちるのを
貴方に借りたタオルで拭いて
あげた。

「ああ、そうだな
 さあ、中に入って・・・
 それにしても、ひどい雨だな
 もう少し、小降りになるまで
 ここに居た方が良さそうだ」

窓ガラスを叩きつける雨を
見つめる二人。

「あの、いいんですか?
 お姉さんがお留守の時に
 何の面識も無い私なんかが
 お邪魔してしまって・・・」