その時、美術室のドアを叩く音
がした。

「はい」
 
「ハチヤ先生、いいですか?」

「ああ、ミオか、どうした?」

ミオ・・・・・・

どうして、彼女の事も
私と同じように名前で呼ぶの?

ねえ、どうしてなの?

『私、ハチヤ先生の事が
 好きなの
 彼を絶対、私に振り向かせて
 見せるわ』

彼女は、姉と同じように
甘えた声で浅緋に話しかける。

ここに居る、私の存在など
無視するように。
 
『お前が手に入るなら
 全てを捨てても構わない』

その言葉を、嬉しいと思うのは

何故・・・