「リコは、その事故の時に命を
 助けてくれた男を好きになっ
 たんだ、彼は、入院している
 リコの元へ毎日、お見舞いに
 行き退院後は、外来診察へ
 付き添ってくれる
  
 俺なんかよりも数倍も優しい
 その誠実な男を愛してしまっ
 た・・・

 奴の事を好きな気持ちを
 止められないリコは
 俺に別れを告げた
 
 あの日、俺がリコに会う為に
 お前の家を訪ねたのは
 式のキャンセル等を
 話し合う為だった」

「どうして、そんな話を私に
 するの?
 どっちにしても、先生は
 私よりもリコちゃんを
 愛してた
 だから、リコちゃんの
 『やり直したい』
 という言葉を受け入れた・・
 私の事なんて愛してなかった
 くせに」
 
浅緋の手が、私の頬に触れる。