「ありがとう、温かい」

浅緋の温もり・・・

「そんなに、あいつが好きか?」

前を見つめたまま、浅緋は
私に問いかけた。

私は、ハンドルを握る貴方の手
を見つめて答える。

「うん、すごく好き」

浅緋は、ハンドルから放した
左手を、私の頭に置いて
優しく撫でる。

「レイ、良かったな」

出会ったばかりの貴方が

どうして私の事を

守ると言ったのか

好きだと言ったのか

それは、私があまりにも

似過ぎていたから

貴方は、ずっと探し続ける。

亡くした

あの微笑を取り戻す為に。

探し続ける・・・