打ち合わせは、飲み会に
なる事は無かった。
 
『この季節に食べる、お鍋も
 おいしいかったなぁ』
 
満足気にお手洗いを済ませて
二人の元へ戻る私に

聞こえる浅緋の声・・・

「いずる、本当に
 お前を信じていいんだな?」

「ああ、俺はもう
 あの頃の俺とは違う」

「そうだな、レイを・・・・と
 同じように・・・」

私の傍を通る、団体客の声が
煩くて、二人の話す声が
聞こえない。

「泣かせるような事があったら
 今度こそ
 俺はお前を許さない」

「俺は、心から
 レイの事が好きだ」

好きだ・・・

真剣な、いずるの横顔に

私は痺れて、動けない。
 
『今度こそ
 ・・・お前を許さない』