バックミラー越しに

私を見つめた浅緋は

怒った口調で言う。

「レイ、お前
 もっと
 自分の事を知ってやれ
 
 あんな事に耐えられる女
 じゃないくせに
 軽はずみな行動を取るから
 辛い目に合うんだ・・・」

「・・・言われたくない」

私の言葉に、助手席に座る
いずるは振り返り

私の頬を流れる涙に驚く。

「レイ?」

前だけを見つめて運転する浅緋

「先生にだけは言われたくない
 私が傷ついてボロボロに
 なって泣いていても・・・
 アッちゃんには関係ない
 とやかく
 言われる筋合いはない」

「そう・・・だな」

運転する浅緋の表情が
悲しみの色に染まっていくのを

いずるは、ただ黙って
見つめていた。 

浅緋の言葉に、涙する澪。

いずるは、想う。

二人は過去に・・・