「これから
 どこか、静かなところに
 行こうよ」

馴れ馴れしく耳元で話す彼の声

厭らしい目つきで私を見つめる

その友達。

私はぞっとして、彼の腕を
払いのけて、その場を離れ
二人から距離を取った。

彼は一歩ずつ、私に近寄る。

「この間と、なんか違うね?
 
 確かあの日は

 君から誘った・・・
 
 好きな奴でもできたの?」
 
彼は、下を向いて嫌がる

私の顔を覗き込み

ついさっき

浅緋が触れた手に触れる。

私を、逃がさないように

その手は、強く、強く握る。