恋が始まると

この胸はずっとドキドキで

いっぱいになる。

貴方の事でいっぱいになる。
 
貴方の訪れを、私は今か今かと
待っている。

「レイちゃん」
 
名前を呼ばれた方向を見ると
そこには去年の夏に
軽い気持ちで一度だけ関係
を持った、他学校の男子生徒が
友達と立っていた。

「やっぱり、レイちゃんだ
 探したんだよ、君の事
 学校、南女だって聞いてたし
 俺の学校と近いから
 すぐ逢えると思って
 連絡も聞かなかったけど
 制服だと、どれもこれも
 同じに見えて分かんないもん
 だね、やっと、逢えたね」

顔しか覚えていない
制服を着た男性は
私の傍に近づき、肩を抱く。