「やっぱり
 この間の駅で待ってろ?
 迎えに行ってやる」

「送ってくれなくても
 一人で帰れるよ」

「いいから、お前は黙って
 俺達に付き合え、うまい飯
 奢ってやるから・・・
 その代わり
 今日、リコを連れて
 帰りたいから、お前からも
 帰るように行ってくれ」

『リコを連れて帰りたい』

浅緋の手が、私から放れた。

「分かったよ」

一人では
迎えに行きづらいって訳・・・

校舎の窓から、まだ残っている
生徒達が大きな声で
浅緋の事を呼んだ。

「ハチヤ先生
 戸締り終わりました」

「ああ、今行く・・・
 じゃあ、レイ
 ちゃんと待ってろよ」

校舎に走って戻って行く
浅緋の後姿を見つめる。