「忘れ物を取りに来たの?」

「忘れ物って何?
 俺には何にも持ってないよう
 に見えるけど」

何て説明すればいいんだろう

困惑している私を見兼ねて
貴方が、何かを言おうとした
その時。

「まっ、いいけど・・・
 イズル、お前
 もう帰れる?」

「ああ」

「じゃあ、ちょっと早いけど
 飯食いに行くか?」
 
「打ち合わせは?」

「飯食いながら、しよう
 レイ、お前は、早く帰れ」

「言われなくても帰るから
 手、放してよ」

浅緋は

繋いだ手を強く握り締めた。