貴方が差し出す傘を出て

雨の中を歩き出す

私の瞳に映る姿。

私は、その場にしゃがみ込み
見知らぬ家の入り口に
並べられたプランターに
植えられた

あなたを見つめる。

「何て、きれいなの」

私の大好きな紫色を身に纏う

あなたは

とても神秘的で、美しい

雨の中に佇む、優雅な姿に
可憐な花びら。
 
初めて見る花の姿を、カメラに
おさめようと

私は鞄の中、携帯電話を
探して取り出す。

雨に濡れる携帯電話、これでは
写真を撮るどころか携帯電話が
壊れてしまう。

写真を撮ることを諦めた私に
聞こえる。
 
傘を打ちつける雨の音が・・・

私の頭上に

また、黒い空が広がる。