ドキドキ・・・

「こんにちは」

浅緋の挨拶に

私は深く会釈をした。

そして、顔を伏せたまま階段を
足早に降りて行く。

浅緋に、ばれなかった・・・

階段が、暗くて良かった。

貴方に抱きしめられて
赤く火照った頬を浅緋に
見られずに済んで良かった。

ううん

そんな事じゃない・・・

あんなところで、浅緋にばれて
大きく名前を呼ばれでもしたら
今まで、ばれずにいた事の全て
が台無しになる。