だけど、私と瀬崎は入学の日以来あまり話す機会はなかった。

──5時間目──
5時間目の科目は国語だった。
私は瀬崎に教科書のページを聞かれた。
「ごめん里中!今先生何ページのどこって言った?」
「57ページの8行目」
「ありがと!助かったわ」
「うん」

あと6分で授業が終わる!!
やったぁ!!
とか思ってたら

「あのさぁ、里中って好きな人いたりする?」
突然の質問で困った。
好きな人は‥瀬崎?かな‥
だけどそんなこと言えないよ告白になっちゃうじゃん!

少し遅れて
「ううん。いない‥」
「そっか」
「うん」

──授業の終りのチャイムが鳴った。
さっきの質問なんだったんだろ。