夏葉はそう言うとホールからでて行った。 「ほっといてやれよ。あいつにだっていろいろあるんだよ。俺たちにだっていろいろあっただろ?あいつの問題なんだよ。あいつが自分であの壁を乗り越えないと意味がないんだ。 だから今はそっとしといてやれ」 康平がそう言った。 「でも…」 夏葉は気持ちなんてわからないって言ったけど、私たちはわかるよ。きっとわかってあげられるよ。 夏葉の気持ち…。