「追い出されちゃった」 そう言いながら、康平がいる瞳の部屋に入った。 「俺たちにあったようにきっとあいつにもいろいろあるんだよ。ほっといたら、だんだん馴染んでくると思うよ」 「そうだよね」 ここにいる子はみんな事情を持っている。自分自身が心の扉を開けない限り、何も始まらない。 私たちには無理やり開けられないのだから。