夕飯を食べ終わり、母さんにひかるを送るように命じられた。
理由はひかるが襲われるかもしれないかららしい。
でも、ひかるが襲われるなんてありえないだろ。
だって、あいつ柔道で黒帯持ってるくらいなのによ。


一緒に歩いてると、俺らはいつも注目の的。
今だって、いろんなヤツがじろじろと見てくる。
「なあ、ひかる。本当にさっき言ってたことするのか?」
「うん。もちろん。」
やっぱりか・・・。
ホント、ちゃっかりしてる。
「ねぇ~。そんなに気にしてるってことは、空斗は本当は好きなんじゃないの?」
ひかるがまた、そんなことを言い出した。
なぜか、その言葉が胸にぐさっと突き刺さる。
それから俺は黙ってしまった。

「おっ、着いた。」
気づいたときには、ひかるの家の前に立っていた。
「空斗、バイバイ。」
「おう、じゃあな。」
送ったあとも、この胸に引っかかるものがなんなのか、分からなかった。
でも、次第に大きくなっていってるのは確かだった。