「…なに、それ。
乗っ取られたって事?」


話しを終えた美佳に
裕子が聞く。


「多分、ね。
私が聞いたのはそれだけだから、何とも言えないけど」


「やっぱり、それ、実話なの?」


真奈美は今にも泣きそう だ。


「もちろん、
だって作り話しじゃ効果無くない?」


美佳はそう言い真奈美を見て笑った。


「あーもう、今度チェーンメール来たら怖くて仕方ないじゃん!」

「じゃあ今度真奈美にいっぱいチェーンメール送ろう」

「やめてよ!」

佳代が真奈美をからかうように笑う。

「はいはい、続けるわよ」

それを裕子が止め
少し明るくなった空気を
また下げる

「それじゃ次、…佳代いく?」

指名された佳代は
面倒臭そうに
溜息をつき
頷いた。


「いいよ。」


佳代が応えれば
美佳と真奈美が佳代の座るほうに身体を向ける。


裕子は腕組し興味深い瞳で佳代を見て

佳代の横に座る早苗は
ゆっくり瞬きし
目の前のアルコールランプを見つめていた。



そして佳代は思い出すように視線を上に向け口を開いた

「兄貴の友達が―」