そう言って刹那は
そっと私の手を両手で包んだ。
刹那「本当は…
羅未亜に新しい彼…
…とか、さ。
…できたんじゃないかって、
…不安だったの。
もう…
―…僕の居場所は
ここじゃないんじゃないかって。
もう羅未亜の隣には…
僕じゃない誰かが…
いるんじゃないかって。
…あんな風に歌も、
発表もしたのにね。」
羅未亜「…そ、
そんなわけないじゃないっ!!
すごく…
すごく…嬉しかったよ。」
刹那「…うん。
だから歯ブラシもコップも…
―…僕がいたのが、
羅未亜と過ごしたことが…
思い出になっていなくて、
本当に…本当に…
―…嬉しかったんだ。」

